国際競争力回復へ、ソフト技術者の教育強化が急務

『「国際競争力回復へ、ソフト技術者の教育強化が急務」---JISA』から。

社団法人・情報サービス産業協会(JISA)会長の佐藤氏の記者会見をまとめると以下のようになる。
【ファクト】
・ ソフト技術者は現在国内に56万人いる。
・ その多くは文学や法学などコンピュータ以外の学科を専攻した人たち。コンピュータ・サイエンス学科など専門分野の出身ではない。
・ 入社してからの教育もまったくといってよいほど行われていない。ソフト産業の教育投資は、製造業でいえば設備投資に相当するもので、それがソフト産業では軽視されすぎてきた
・ ソフトウエア技術者のスキルがC言語やオブジェクト指向言語などプログラミングに偏っている。

【提言】
「顧客に対して納期や価格・テスト方法などを含めシステム全体を設計・説明できる人が欠如している。グローバル化が進むなかで、本来ならプログラミング部分は中国など海外に外注、日本の技術者はシステム設計やプロジェクト管理などに徹することべきだ」


ソフト産業の教育投資は、製造業でいえば設備投資に相当する、すなわち極めて基礎的かつ欠くべからざる投資という指摘には賛同。

しかし、「コンピュータ・サイエンスなど専門分野の出身者が少ない」という指摘と「日本の技術者はシステム設計やプロ管に徹するべき」という提言にやや戸惑いを覚える。コンピュータ・サイエンスとはかなりテッキーな学問体系。(たとえばスタンフォード大学のコース一覧を見よ)まさにプログラミングに偏っているといっても差し支えない。TRONをがんがん拡大したり、Googleみたいな技術セントリックなベンチャーを産み出したいなら、確かに専門家が足りなさそうな気がする。

一方、プロジェクト管理にはむしろ経営センスとか人間力が役に立つ。コンピュータ・サイエンスの専門家をたくさん育てても、でかいプロジェクトを回せるマネージャは育たない。


むろん両方必要なんだけど、教育「投資」というからには期待値を明確にしたいところ。技術で日本を引っ張る人材と、ITを軽やかに使いこなしてどんどん業務を高度化できる人材。人材育成のポートフォリオを作らねばならない。

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作成: 2003/6/4 by:koji


koji

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Re: 国際競争力回復へ、ソフト技術者の教育強化が急務
 
nfujishima 投稿日時 2003/6/5 0:27
このテーマはいろいろ感想を書きたいようにも思うのですが、さてどういう切り口にすべきか…

引用:
ITを軽やかに使いこなしてどんどん業務を高度化できる人材
については、ソフトウェア産業だけでなく、すべての産業、というか、行政やNPOをも含むすべての組織に必要ですね。

特に、これからの時代、経営者にとってそれが強く求められているように感じます。プログラミングの詳しい知識はなくとも、コンピュータにとって何が得意で何が不得意なのかが感覚的にわかることはとても重要でしょうね。というか、それなしに「業務の高度化」は考えられない時代になっているでしょう。

日本の産業競争力を高めるためには、技術者育成と平行して、組織リーダーへのIT教育(ワード、エクセルは不可。ネットワークとかデータベースとかかな。)も進める必要があるんじゃないかと考えました。
Re: 国際競争力回復へ、ソフト技術者の教育強化が急務
 
koji 投稿日時 2003/6/5 13:30
引用:
プログラミングの詳しい知識はなくとも、コンピュータにとって何が得意で何が不得意なのかが感覚的にわかることはとても重要でしょうね。というか、それなしに「業務の高度化」は考えられない時代になっているでしょう。

日本の産業競争力を高めるためには、技術者育成と平行して、組織リーダーへのIT教育(ワード、エクセルは不可。ネットワークとかデータベースとかかな。)も進める必要があるんじゃないかと考えました。
そうですね。なかなか奥の深い話題なんですよね。

機能的にはこのくらいの階層になっているんじゃないかと思います:

1. 組織としてのビジョンを語る人
 ↓
2. ビジョンを業務の言葉で語る人
 ↓ ↑
3. 業務をシステムに置き換えられる人
 ↓
4. システムを作る人

組織は1と2だけでなく3にも、情報技術のプロは3と4だけでなく2にも、それぞれ踏み込んで行く必要があります。

う、時間がなくなってしまった・・・書きかけですが


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