「頭で儲ける時代」(あいであらいふ刊)最新号(1月号)に掲載したコラムです。
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GNH−国民総幸福量
「世界一幸せな国ブータン」
世界には 200近い国があるが、知られざるユニークな国は少なくない。ソ連崩壊で経済危機に陥ったキューバは「都市を耕せ」のスローガンのもとに有機農業で国を建て直し、いまや国連も認める環境先進国だ。また、コスタリカは、軍隊を捨て軍事費を教育費にまわし、国家予算の3分の1が教育費だという。いまの日本が学ぶことも多そうだ。
しかし、世界でもっともユニークな国は、なんといってもヒマラヤの仏教国ブータンだろう。この国は、2004年12月17日からたばこの販売を禁止し、事実上世界初の禁煙国家が誕生した。外国で買い自分が吸うために持ち帰ると 100%の関税がかかり、自分の部屋以外で吸うことは禁止され、外国人でも外で吸うことはできない。愛煙家には煙たいでは済まされない話で、かつて悪法の代名詞と言われたアメリカの禁酒法を彷彿とさせる。
もっとも、ブータンの試みは、禁酒法とはかなり趣が異なる。立憲君主制のブータンの国是は、「国にとって大切なのはGNP(Gross National Product=国民総生産量)ではなくGNH(Gross National Happiness=国民総幸福量)である」というもの。一見、冗談ぽく聞こえるが、GNH研究所も設けられ真剣に考えられている。鎖国政策を貫いてきたブータンは、1952年の「開国」以来、節度ある開国を基本とし、農業と森林を守りながら、あえてスローな近代化を選んできた。自給率は高く食料も豊富だ。グローバリゼーションの荒波にもさらされず、テレビ放送が始まったのは1999年のこと。そのため人々の欲望が開発されることは少なく、仏教の精神が暮らしに根ざしていることもあり、物質的には豊かとは言えなくても心豊かな生活が保たれていると考えられる。「世界一幸せな国」とも称されるブータン。「先進国」も「途上国」に学び、本当の意味での先進国を目指したいものである。




